Asterisk設定入門(sip.conf)
今回の記事では、Asteriskの設定ファイルである「sip.conf」を編集し、それぞれの項目の内容を確かめていきます。
「sip.conf」を編集していく前に、既存ファイルのバックアップを取っておきましょう。
# cd /etc/asterisk # mv sip.conf sip.conf.bak
sip.conf
「sip.conf」はファイル名のとおり、SIPの設定を行うファイルになります。
まずは、viエディタで下記のように編集してみてください。
# vi /etc/asterisk/sip.conf
[general] context=default port=5060 bindaddr=0.0.0.0 srvlookup=yes disallow=all allow=ulaw allow=alaw allow=gsm language=ja [201] type=friend defaultuser=201 secret=pass canreinvite=no host=dynamic [202] type=friend defaultuser=202 secret=pass canreinvite=no host=dynamic [203] type=friend defaultuser=203 secret=pass canreinvite=no host=dynamic
[general]セクションは「sip.conf」内全てで適用される項目となります。
[201][202][203]セクションではそれぞれSIPアカウントを定義しています。
[ ]内の数字は内線番号と捉えることができ、任意の文字列を指定できます。
[general] | |
---|---|
context | デフォルトのコンテキストを指定。「extensions.conf」内で定義するコンテキストと関連付く。基本的に変更不要 |
port | SIPでの通信に使用するポート番号を指定。デフォルトは5060。 |
bindaddr | SIPコネクションを受け入れるIPアドレスを指定。デフォルトは0.0.0.0(全てのアドレスを受け入れる) |
srvlookup | DNSのSRVレコード検索の有無を指定。デフォルトはno(無効)。ただし、yes(有効)が推奨とされている。 |
disallow | 非許容とするコーデックを指定。allだと全てのコーデックの使用を禁止する。通常、allowパラメータと同時に定義される。 |
allow | 許容するコーデックを指定。デフォルトはall。 |
language | 言語フラグをセット。デフォルトは英語。 |
[201][201][201] ※[]内の数値は任意 | |
type | ユーザ(user)、ピア(peer)、フレンド(friend)のいずれかを指定。 user:着信専用 peer:発信専用 friend:発信・着信の双方が可能。通常はfriendを指定する。 |
defaultuser | 認証で使用するユーザ名を指定。 |
secret | 認証で使用するパスワードを指定。 |
canreinvite | Asteriskが音声ストリーム(RTPパケット)を中継するかどうかを指定。 yes:中継をせず、エンドポイント間で音声ストリームを送受信する。 no:中継する。 |
host | 内線番号に対するIPアドレス(or ホスト名)を指定。dynamicを指定すると任意となる。DHCP割り当てなどでIPアドレスが固定されない場合があるため、通常はdynamicを指定する。 |
次回はAsteriskを設定していく上で、もうひとつの重要な設定ファイルである「extensions.conf」を編集していきます。